「やあ、Ms.マルフォイ」
「…今はポッターよ」
「だが君はあの方達の娘なのだろう? それにポッター家は純血だ。君が卒業後正式に養女になることも…ありえなくはない」
「……そうかもしれないわね。こうしてお喋りするのはいつぶりかしら?」
「昨年の…君の誕生日以来じゃなかったかい? あのときもちょっとの間だったけど。あれ以来君は家族以外の人間と会っていないだろう?」
「よく知っているわね」
「君はけっこう有名だからな、Ms.マルフォイ? ドラコの誕生日には話せるかと思ったが」
「誕生日会にはあなたもわたくしも出席していたわ」
「誰とも話さず体調不良ですぐに引っ込んでしまったじゃないか」
「……ほんとうに体調が悪かったのよ」
「君の身体が弱かったことは知っているさ。だから疑ってはいない。…なあ、ミッシェリーナ?」
「何かしら?」
「お前、どうする気だ?」
「……。」
がらり、と雰囲気が変わる。急に普段のさを投げ捨てた。
「今の時代、まだマシかもしれねえが厄介だろ、今の立ち位置は。せめてお前がスリザリンに入ってさえいれば俺やドラコやパンジーがどうにかできたしすぐあいつらとも仲直りできただろ」
「…それは、わかっていてよ」
「グリフィンドールは居心地が悪いだろ?」
「そんなこと…」
「遠慮する必要はない。だってお前、グリフィンドール向いてねないだろ。……スリザリン向きだって思っていたぜ? その血筋も顔も性格も。昔からな」
「……わたくしは後悔していないわ」
「ほんとうに? そうは思えないが」
「なぜそう思うの?」
「だってお前、なによりもドラコが大事だろ? そんなお前にドラコと喧嘩してまでグリフィンドールが耐えられるはずがない。」
図星だった。
「……まあ、ハリーポッターとかいったか? あいつの方がお前にとって大事だというのならしかたがないことだろうけど」
「そんなことないわ。ハリーもドラコもわたくしにとって大切な家族よ」
「へえ?」
「そしてあなたも大切な友人だわ」
「……あいかわらずの博愛主義だな。…そんなんだからあんな風に呼ばれるんだよ。だがそうだな…つまりお前は大切な友人、家族全てを切り捨ててスリザリンに入ったのか」
「……わたくしそんな言い方は好きじゃないわ」
「間違いではないだろう? ……君は愛されていたのに」
「あなたは私に何を望んでいるのかしら?」
「君は叶えてくれるのかい?」
すっかりいつもの調子になってしまった。
「どうかしら? 応えてほしいのなら努力くらいならしてよ」
「なら、スリザリンに入れ。今ならまだ間に合う。(ノットやパンジーだって…)」
「もう間に合わないわ。組分けは撤回できない」
「…マルフォイの力を持ってしても? それともお前はマルフォイがその程度の…」
「たかだか学校内のことに家を巻き込むわけには行かないわ。…あなたが心配してくださっているのは理解したわ。安心してちょうだい。私はドラコと何を持ってしても仲直りするわ」
「……やっぱお前はスリザリンが向いているぜ」
「そうかしら? ではまた今度」
そう花のように微笑んでミッシェリーナは去っていった。
「…そういうことじゃねえんだよなあ」
ザビニは思わず壁にもたれかかり天を仰いだ。
(肩を叩かれふとザビニは顔を上げた。
「何をしている? そろそろ寮に戻る時間だ」
「……」
「遠目にミッシェリーナが見えた。話していたのか」
「ああ」
「何を?あいつは…」
「あいつは少なくとも母親が純血だしマルフォイの娘だ」
「……お前は家を背負わずに済むんだったか。」
「お坊ちゃんは大変だな? 常に家のことを考えねえといけない。幼馴染に気軽に話しかけることもできない」
どこか揶揄するような話し声は苛立ちを含んでいた。
「俺はまだましだ。アイツに……あいつらに比べたら、な」
「…」
「それで?何を話していた」
「いや、まだ聞くのかよ」
「一応だ。……ミッシェルは昔から何を考えているのかいまいちよくわからん」
「さあ? 頭お花畑なんじゃねえの?」
「本気で言っているのか?」
正気かという風に尋ねるノットにザビニは肩をすくめながらもすぐに答える。
「まさか」
「だろうな」
っていく。
あとがき
ザビニについて捏造ばかりで申し訳ないです。