すべらかな上質のシルクでできていた。
「そういえば、色々あって話す機会を逃してしまっていたけど学用品を買うのはまだ先でも大丈夫よね?」
優雅にスコーンを割ってクロテッドクリームを塗りながらナルシッサが口を開く。
「はい、もちろんですわ、お母様」
ドラコは少し不満そうに紅茶を音をたてておいた。すかさずルシウスからの注意が入る。
「ドラコ」
「すみません、父上。でも、僕ダイアゴン横丁でもなんでもいいけど、箒を見に行きたい」
名前を呼ばれただけで瞬時に何に対する注意か理解したドラコは謝罪しながらも自分の希望を告げる。じっとルシウスの顔を見つめながら。それを見ていたミッシェリーナも口を開いた。
「そうね、わたくしは今月出た本を見に行きたいわ」
ミッシェリーナはエッグスタンドに乗ったゆで卵の殻を割りながらドラコを援護した。
読んだことのある本は記憶が共有されているため殆ど知っている。そして、共有された情報に今月出る新刊にニュートスキャマンダー作の本があることを思い出したのだ。絶対に読んでみたいと思ったミッシェリーナはそれとともに新たな知識を入れるべくいくつか本を買って貰えたらな、と思ったのだ。
血が繋がらないと発覚してなんなら前世の記憶の出現でどこかよそよそしい気持ちがあるのに本をおねだりするなんて我がことながらがめつい気がする……と凹みながら殻を割った卵はみごとに失敗して半熟の君に小さな殻が沈んでしまった。
「残念だが、私は今日魔法省に用事がある。……明日はどうだ?」
初めは愛しい二人の子供からのおねだりをすげなく断るもじっと見つめるドラコの眼差しに耐えれなくなったのかルシウスは代替案を出した。
「わたくしはもちろん構いませんけど、ドラコはどうかしら?」
「ルシウス……まだミッシェリーナは病み上がりなのに連れていくだなんて」
「わたくしは大丈夫ですよ、お母様」
ミッシェリーナはにこり、と落ち着いた笑みを浮かべながら小首を傾げる。
何がなんでも行きたいミッシェリーナは
「絶対に目を離さないさ。」
「あら、じゃあ私も一緒に行くわ。気になっている本があるの」
「こんばんは、ドビー」
「こ、こんばんは、お嬢様。どうされたのでしょうか?」
夜に部屋に来るように頼んでおいたのである。
少し気取った言い方になってしまった。
「いいえ、対したことではないの。紅茶をいれて欲しくって」
「かしこまりました。」
「あの……お嬢様、こちらは?」
「お礼よ、ドビー。……ほら、この前あげたクッキーと同じ」
ドビーはその大きな目を潤ませた。
「ありがとうございます!ミッシェリーナお嬢様!」
私は不信感を持たれないためにもできうる限りもとのミッシェリーナとして振る舞うことを決めたのだった。
日本に住んでいたのもあってイギリスは何もかも新鮮で、真っ赤な二階建てのバスを見れたときはとてもワクワクした。
ドラコはマグルの近くを歩くだなんてと顔をしかめていた。
「よろしくね?アンジュ」と声をかけるとまるで答えるように「ホゥー」と鳴いた。すこし梟にしては高い鳴き声がかわいくてミッシェリーナは微笑みながら頭を撫でた。
あとがき
ザビニについて捏造ばかりで申し訳ないです。